Short novels
□Bottom line
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おや、皆様。
またお会いしましたね。
小鳥たちの様子はどうでしたか?
やはり、あの子たちには鳥籠の中だけの世界は狭すぎたみたいでしたね。
広い世界こそが、あの子たちに相応しい。
けれでも、そのまま鳥籠の扉を開け放ったままにはいきません。
境界線というものは、曖昧なままではいけませんので。
特に、時の境界線は。
それに、ほら。
こういう言葉を聞いたことがありませんか?
『本当の自由は、還る場所のあること』
あの子たちにも、還る場所があるからこそ「自由」の名が相応しいのでしょう。
おやおや、なんだか長く喋ってしまいましたね。
わたくしめの話にお付き合いいただき、ありがとうございます。
では、わたくしはこの辺りで。
またお会いできる日を、楽しみにしております。