『Everlasting』

□4日前
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食事は、質素なものだが1日に3度出された。
元が収容所だけあり、牢屋の中には洗面所やトイレの設備も付いていた。
この場所に閉じ込められてから、丸3日。
数時間に1度は、武装集団の一人が見張りのために悟空のいる牢屋を見に来る。
男が現れても悟空は別段何もせず、ただ牢屋内のベッドに腰掛けてじっとしているだけだ。
足音が聞こえて男が現れると、チラリとだけ悟空はその姿を視界に収める。

見張りは、1日目には数人で現れていた男たちも、今ではたった一人での見張りに変わった。
見張りの男も悟空が大人しく座っている姿を確認すると、すぐさまこの場所から離れていく。
見張りが去っていくとガチャリと音がすることから、おそらくこの場所は別のところとは扉で隔離された場所なのだと推測される。

男たちの格好は、真っ黒な武装服に真っ黒なマスク。
個性も何もない格好に、それでも代わりがわり来る男たちの区別は、何となく付いてきたように思う。

その中でも、特に一人の男。
顔全体を覆うマスクのために顔はわからないが、瞳が紫色の男。
八戒と悟浄が殺されそうになったときにそれを止めてくれた、“玄奘”と呼ばれた男。
その男だけは特にその人だと認識できるようになったが、別に話をするわけでも視線を合わせるわけでもない。
おそらくリーダーの次に信頼を得ている人物のようで、その男には注意が必要だと思った。


時間はない。
残り、4日。
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