『Everlasting』

□1週間後
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気がついたときには、真っ白な天井の病室に寝かされていた。
銃で撃たれた右足も左腕も頬も、すでに治療が行われていて白いガーゼがその場所を覆っていた。
左腕に巻かれていた包帯も、すでに取り去られている。
悟空しかいない、静かな病室。
まるで、今まで起こっていたことが嘘のように静かな空間だった。

病室には八戒や悟浄、革命派の仲間がよく訪ねに来てくれた。
皆、悟空の無謀な行動に怒ったり無事に帰ってきたことに喜んでくれたり、それでも穏やかな時間が過ぎていった。
見上げる天井は真っ白で、似ても似つかない牢屋での薄汚れた灰色の天井が少しだけ思い出される。

八戒にあの瞬間のことを聞けば、あれは革命が成立したときに不審な行動をとっていた男たちの後ろを追いかけた結果だったらしい。
あの武装集団に斉天大聖の監禁を依頼したのは、斉天の叔父であり第一継承者だった男で、その男は現在、王族の名を汚したことで投獄されているとのこと。

あの真っ白な煙の中、武装集団の男たちは駆けつけた斉天が率いる兵士たちの銃弾に、全員射殺されたと聞いた。
その中には、黒い髪に灰色の瞳を持つ、リーダーの姿もあったらしい。
けれどもその死体の中に、金色の髪と紫の瞳を持つ人物の姿はなかったと、報告された。
死体はなかったが、行方は知れない。
あの場にいた八戒に三蔵がどうなったのかを聞いても、わからないとしか答えてくれなかった。

死んでいるのか、生きているのか。
三蔵から溢れ出る血の感触が、目を閉じれば思い出される。
白くなっていく三蔵の頬が、まだ脳裏に映っている。

頭の中をすべて三蔵が占めて、それから一週間が経過した。





 
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