裏小説

chinear(垣一)
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全くコイツは何を考えてるンだろうか。
久々に会える休日。ゆっくりとお喋りが出来れば、なんて浮き足立っていた一方通行は、約束していた相手が部屋に上がってくるやいなや問答無用でベッドに押し倒された。
シャツを捲り上げられて顕になった肌は陶器のように滑らかで異常なまでに白く、脂肪のついていない腹と分厚いという言葉には程遠い胸板。服の上からでも華奢と分かる体は、自身の超能力の影響でホルモンバランスが崩れ、纏う物を無くしても尚、男でありながら一見女性にも見てとれた。最早男とも女ともつかぬ身体は、女性にある柔らかな膨らみが無いという点で、かろうじて一方通行が男性であると判断できる程。
その薄い胸についた飾りを、来客である垣根帝督は、先程から執拗なまでに舐めていた。
垣根の唾液に濡れそぼって卑猥にてらつくそれは、食べ頃といわんばかりに赤く色づき、ぷっくりと膨らんでおり、尖らせた舌先で突いていたかと思うと押し潰され、ざらついた舌で細かい振動を与えながら舐めると、一方通行の細い肩が震える。
「ンっ」
一方通行がそのもどかしいようなむず痒い感触に酔いしれていると、時折思い出したように歯で強く噛まれるのだ。その鈍い痛さがまたいい。
体の中心に集まっていく熱に一方通行は熱に浮かれた様に目を細めた。
「はっ、ン」
片方を強く吸われ、もう片方に爪を立てられ、ここも、と既に熱くなっている中心を垣根に押し付けるが、垣根の興味は胸から離れない。
「ンなにっ、吸うな」
「いいじゃねえか減るもんでもなし。この肉の薄い胸が好きなんだよ」
「母乳はでねェぞ、ぁ」
飾りを指で弾かれ、一方通行の体が小さく揺れる。そのまま浮き上がった肋骨を撫でる指に荒く息を吐く。
「垣根ェ」
一方通行が舌をのぞかせ、雛鳥みたいに口を開くと、垣根の指が数本口内に侵入してきた。
自分の簡単に折れてしまいそうなものは違う、骨張っていて大きな手。関節の太い男らしい指。その一本一本に舌を絡め、第一関節、第二関節と、垣根を耳から煽る様に、ぴちゃぴちゃとわざと音をたてて丁寧に舐めていく。
「ふ、ンっ」
指の腹を舐めあげ、唇で関節をはみながら爪と皮膚の間に舌先を割り込ませる。
「ふァ」
そうやって垣根の指の味を堪能していると、突然舌を指で挟まれ引っ張られた。口からピンと伸びる下に口を閉じれず、口の端からたまった唾液が垂れる。
「きゃきねェ」
舌が使えず、一方通行は舌足らずに垣根を呼ぶ。
名を呼ばれた垣根は、一方通行の痴態と甘えるようなか細い声にくつくつと喉を鳴らして笑うと、
「お前、1人で酔い過ぎ」
「な、にがっ、ひァっ……や」
「どうせ酔うなら俺で酔えよ」
一方通行の唾液に滑る指で、平らな胸で淑やかに主張する淡く色づく粒を擦った。
「ァ、あっ……ンゥ……」
ぐにぐにと形を変えて熱を連れてくる行為を直視していられず、一方通行は目を伏せた。先程の乾いた指が与えるのとはまた違う、自身の唾液で滑りのよくなった指の繊細な刺激に、目蓋を縁取る睫毛が生理的な涙を纏い、快楽の波を耐えて細かく震える。
「あァっ」
もう片方を窄めた唇で強く吸われ腰が跳ねた。母乳でも吸い出そうとする勢いに恐る恐る目を開けると、普段より赤いそこが垣根の口に吸い込まれ、上に伸び、本当に胸がある錯覚を覚えた。
更に硬く熱くなった中心を、今度は垣根のモノに擦り合わせる。
「っ、悪戯はよくないぜ、一方通行」
熱のこもった擦れた声と、硬くなっていた垣根のモノに、自分でなく垣根も自分で感じてくれているのか、と胸が暖かくなる。
「好きな、だけっ……ン…………弄っていいぜ……」
「指図すんなっつの」
拗ねた様に獣の瞳で言い、また自分の女性のものとは違って、柔らかくもなく魅力的な膨らみもない胸に顔を埋める垣根に、一方通行はそこはかとない愛しさを覚え、垣根の頭をそっと撫でた。
その感情は、母が子に抱く母性本能に似ているような気がした。





















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