小説(ラハフロ以外)

□誰が為に鐘は鳴る
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“魔王クリチェフスコイさまの息子”

あたしにとっての、殿下の評価は、それだけ。
最近は、殿下も魔王さまっぽくなったかなー、なんて思うけど、良くも悪くも、それだけよ。
あ、もちろん、魔王さまの足元にも及ばないけどね。

それが、いつ頃からだろう?
少しずつ変化していったのは。
あたしが変わったのか、殿下が変わったのか・・・。
分からないけど、殿下に対しての気持ちが、変わったような気がする。

例えば、お城ですれ違ったとき。
遠くからでも、すぐ殿下を見つけられる。
議会でも、騒音の中、殿下の声だけは聞き分けられる。

これって、どういうことだろ?
一応、腹心の部下ってことになってるからかな。

それから。
もう一つは、とっても困ったことがある。
それは、殿下とフロンちゃんが楽しそうに話してたりすると、2人の方を見れなくなっちゃうこと。

何を話してるのか?
どんな表情をしてるのか?

とっても気になるのに、見れないの。
そういう時、あたし、絶対変な顔してる。
その顔を、2人に見られたくないんだ。

こんなこと考えるなんて、あたしらしくない。
なんだか、調子狂っちゃうな。
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