小説(ラハフロ以外)

□星降る夜に逢いましょう
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これ(『Green Road』)書いた後、なんだか欲求不満になりそうだったので、アップ保留にして、慌てて続きを書いてみました。
今度こそ、ラミフロ・・・のはず。(^^;)



『星降る夜に逢いましょう』

風の音を聞いたような気がして、フロンはベッドから身を起こした。
はっきりとした時間は分からなかったが、闇の濃さから、かなり夜も更けたのだと感じる。
周囲を見回すと、ベッドに入る前の見慣れた自分の部屋で、気のせいだったのかと布団に潜り直そうと思い―――・・・ベランダに引いてあるカーテンが微かに揺れたのが視界の端に入った。
フロンはそっとベッドから抜け出すと、ベランダへ続く窓へと近づいた。
少し、開いている。
「閉め忘れたのかしら・・・」
呟きながら、ガラスに手を掛ける。
が、それを閉めずに、逆に大きく開いてベランダへと出た。
ひんやりとした夜の空気が、温まった体を冷やしてくれる。
頭(こうべ)を上げると、空には幾万もの星がきらきらと輝いていた。
「なんだか、眠るのがもったいない夜だわ・・・」
フロンは手すりに頬杖をついて、風と星のささやきに耳を傾けた。


・・・?
ふと。
名を呼ばれた気がして、目を開けた。
きょろきょろと周囲を見回す。
「―――フロン」
もう一度、今度ははっきりと。
聞き覚えのある声の方を仰ぎ見ると、予想通りの人物が大きな羽を羽ばたかせ、フロンの傍へ舞い降りるところだった。
「大天使さま・・・?
・・・びっくりしました。こんな時間に・・・」
ふふ、とラミントンは優しく微笑む。
「こんな素敵な夜は、フロンが眠らずに夜を楽しんでいると思ってね」
ラミントンはフロンの隣へ寄り添うように立った。
夜の風がふわり、と二人の長い髪を吹き上げた。
「―――こんな風に、ね」
と、にっこりと笑いかける。
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