小説(ラハフロ以外)

□Green Road
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ではやはり、この子しかいないのだ・・・。
魔界と天界とをつなぐ、唯一の鍵となり得るのは・・・。

「フロン・・・すまない・・・」
ラミントンは、フロンの頭にそっと自分の手をのせた。
ラミントンの手は大きくて暖かくて、いつもならフロンは安心できるのだが、今回のラミントンの表情はフロンを不安にさせた。
「大天使さま・・・?どうかされたんですか?」
「ああ・・・いや・・・」
ラミントンはすぐ、元の穏やかな表情に戻り、フロンの頭を優しく撫でた。
「いいかい、フロン?世の中には絶対的な悪や絶対的な善は存在しない。天使たちは悪魔を悪、自分たちを善と決めつけているようだが、それはとても悲しい考え方だ。悪魔にだって、ちゃんと愛はある。天使も、そして多くの悪魔も、それに気づいていないだけなのだよ。彼らを愛へ導くことができれば、いつの日か―――」
ラミントンはそこで言葉を切った。
口に乗せる言葉を選んでいるような、そんなラミントンの様子にフロンは不安げにおずおずと顔を覗き込んで言った。
「大天使さま・・・。何か心配事がおありなんですか?
でも、大丈夫です。わたしがついてますから。わたしが、いつもお傍にいてお守りします。
だから、元気を出してください」
フロンの一途な様子にラミントンは胸に温かいものがじんわりと広がっていくのを感じた。
それは常に心の片隅にある罪悪感を和らげてくれる。

だが、もう後には引けないのだ。
天界を、魔界を正しい方向へと導いていくためには、この子が必要なのだ・・・。

ラミントンはフロンのやわらかい髪を何度もなでた。
何度も、何度も・・・。
フロンが真実を知るのは、もっとずっと後のことだ。

END

あとがき

ラミフロにチャレンジしようと思ったのですが、あえなく玉砕・・・。(^_^;
ラミフロのイメージはバッチリあるので、またいつかチャレンジしてみたいです。
大人なラミントンが、宝物のようにフロンを大切にしてるとこ、表現できたらなぁ・・・んて。

ラミントンをまともに書くってだけでいっぱいいっぱいデシタ。
どうもラミントンのあの表情見ると、うさんくさい・・・としか思えなくて。(え?)
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