CP ーotherー
□Out of control
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全てお前の言う通り、俺達はやってきた。
疑問も何も持たずに。
そうすれば、全てはクリアになると思ったから。
だが―――――。
「さっきの奴、どう思う?」
「最低だね。僕のメロディに全く合わない。失格だ」
「これで8人目、か。そろそろ良い人来て欲しいなぁ」
マークーの言葉と共に、スティックを回すクリスも調弦しているダンも、大きく溜め息を付いた。
ヴォーカルの居ないバンド。前任者が別のバンドを作ってしまい、その穴を埋める為のオーディションだが。
―――――今の処、8戦8敗勝率ゼロ。さすがに―――――疲れてきた。
「あと一人、か。8人の中なら誰を押している?」
「俺は6番」
「俺も6番」
「奇遇だな。僕も6番のチェスター・ベニントンだ。彼が一番上手い。まぁ少し、僕達の曲と合ってはいないが」
妙に新しいスタジオが、逆に痛く感じてしまう。
誰ともなく、早く終わらせたくなった。
「それじゃ、9番の方、入って下さい」