CP ーotherー

□漂流モナドロジー
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君の心があまりにも美しすぎて


僕には何も出来なかったんだ








漂流モナドロジー
















「―――んぅ、…くぼちゃん…」




猫みたいに甘ったるい声。





「…おはよ。ときとう」



出来るだけ優しく、なんて意識してないけど。

こんなふうに、微笑み掛けるみたいに、声がもう君を呼んでいる。




「あさめしぃ…」

「うん。何にしようね?」

「…なんでもいいや」

「じゃあ、テキトーで」





すぐ横に広がるぬくもりが愛しいから本当は、食事はキミで、とか言いたいんだけど。




無駄のない身体つき、とか


うわずった声、とか


紅い頬、潤んだ瞳、もちろん可愛さの残る下半身も、すべて。






「…ん、ふぅ―――」




今すぐにでもベッドに潜り込んで毛布をはがして、白い朝日にモノスゴク映えるであろう君の体を、


それこそ触ったことのない場所なんてないと断言出来る君の体を、丁寧に、ゆっくりと、もう一度。





「時任…」


「んぁー?」




こっちを向いた君の上に重なって。




「うわっ!くぼちゃ…何してんの?」

「何って、えっちなコト。」

「冗談じゃねェよ!昨日あんなにヤったじゃんか!」

「そうそう、結構すごかったよねぇ、声とか」

「出させたの誰だよ!」

「あれぇ、言わないとわかんないかなぁ。昨日時任のココと」

「――――んぅ!」

「ココがさ。ホシイホシイって、必死にオネダリしてたんだよ?」

「〜〜〜久保ちゃんのばかっ!!」





物凄い勢いで身を翻して、ベッドの隅に逃げられた。

ほんっと、猫みたい。

そんな恥ずかしそうに毛布で前を隠されたって、ねぇ?







「―――感じちゃった?」







確信犯、予定調和、取捨された未来の行方。





「俺は朝飯が食いたいの!!」

「じゃあ朝ご飯にしましょう」

「〜〜〜っばか!!責任とれ!!」







必要なのは、君だけだった。








「…こっちおいで。」







“飢えている”?


それはどうだか知らないけど




確実な証明が欲しいなら 愛欲と湿度のたっぷり溜まったベッドで



まるで足跡に似た 眼に見える小さな疵を



ひとつ ひとつ 丁寧に。





【fin.】

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