CP ーotherー
□Good morning despair
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「あら日番谷隊長、御見舞も熱心なこと」
「いや、別に――――」
卯之花の笑顔に、日番谷はまだ慣れていない。
どことなく見下すような、それでいて優しいような。
子供っぽい考えを頭の隅に丸めて捨て、日番谷は廊下を足早に進んだ。後ろからぴったりと卯之花の足音もする。
「あいつは――――目ェ覚ましたか」
「いいえ、未だに昏々と眠られ続けておりますわ。体力などの数値は正常ですし、後は精神的な部分の回復でしょう」
角を2,3度回ると、目指す個室。
「おやまぁ、道にお迷いにはならなかったですわねぇ」
卯之花は満面の笑みを浮かばせながら、氷を吐く。
日番谷が反駁しようとする前に、お二人のお邪魔は致しません――――と言ってさっさと行ってしまう。
矢張――――慣れない。
戸口に立つ。
「雛森」
小さく声を出す。返事が無いことぐらい分かっている。
中へ入る。
青白い顔。濃い隈。元よりずっと細い腕。
誰の所為だよこれは。
日番谷の名前を呼ぼうとした決意は、ふいと凋んだ。