オリジナル小説

□昔々のおはなし7
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魔女と使い魔が住む島
  時々 思い掛けない訪問者が現れます。
それは 些細なモノや 新しい出来事を運んでくるモノなのです。



 紅葉が降り続ける景色に紛れて、一匹の黒い獣が大樹の上の家をじっと見つめています。
瞳も何もかもが漆黒の獣。瞳には一人の少女しか映っていません。



「鴉〜表に変なのが居るんだけど・・・心当たりないか?」
朝の水汲みを終え、朱が窓から外を覗く。
「ん?別にないよ」
鴉が鍋に野菜を加える。
「ウソつけっ!この島に俺以外狼はいないだろ」
朱が鴉に赤い実を放る。


「そういえば、3日位前に冬の森で死にかけの犬に気紛れで魔法掛けた」
鴉は赤い実を握りつぶして、鍋に入れる。
木の実から出る汁は、透明だが鴉の手に触れると赤く変色していく。
「で、懐かれたのか」
「さぁ?時々、周りをうろうろしてるけど」
鴉が棚から干し肉を出して、窓の外に放る。



風に運ばれて、干し肉は獣の前に落ちました。
獣は、ぺこりと頭を下げ肉を啄ばみます。



「しっかり餌付けしてんじゃねーか!」
「別にいいでしょ。支障はないんだから」
鴉が木の器に赤いドロドロした液体を盛り付けて、朱の前に差し出す。
「ったく鴉は、たまにやらかすんだよな」

 鴉は、植物や生き物をよく拾ってきます。

   暫く育てるとすぐに逃がす、その繰り返し

 その副産物とも言えるのが、この島の生態系
   
   鴉が、品種改良やらを度々行う為大分変わっています。
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