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□いつの日か
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端から見れば正反対の二人。

どう考えても合う筈のない二人が何故かいつも一緒にいる。


だからこそ世の中のバランスがとれるのかもしれない。



『いつの日か』



任務の報告を終え食堂に向う途中、アレンは廊下で楽しそうに話をする神田とラビの姿を見つけた。

第三者からみれば、ラビが一方的に喋っているだけだが、あれが二人の普段通りの光景なのだ。

不釣り合いに見えて、あの二人は意外と仲がいいらしい。


それにしても神田のあの態度は面白くない。


ラビとは普通に話をするのに、僕に対してはどうですか?
会話は愚か、名前すら読んで貰えない始末ですよ!
それどころか僕のことなんて、ミジンコ程にも思っていないじゃないだろうか。

世の中って本当に不公平だ。


ラビの前では、僕には絶対見せない表情を見せる神田。
心なしか神田の顔が穏やかに見える。


あー、あの和やかな空気を壊してやりたい。

そう思った時には、既に体が動いていた。



「わっ!?」

「モヤシ、てめぇ何処見て歩いてやがる!」

二人の間を割って通れば、予想通りの反応が返ってきた。

「あ、すいません。ちょっと考え事してたもんで」

狙い通り、二人の注意は僕に移った。


 
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