おねがいキスして。10題
□4、手をつないでキスをして
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私が勝手に泣いて、キスして、走り去るという最悪なことをした翌日。
やはり、顔を合わせずに過ごすなんて無理なわけで。
「おはようございます」
と言われるが私は即、走り去る。…という予定だったがすぐに六郎に手をつかまれた。
「どうしたんですか。」
と、綺麗な瞳で私を見つめる六郎。
「ごめんね…。昨日、いきなりあんなことして。」
「どうして、昨日。私に口づけたのです?」
六郎の視線は私を逃がしてはくれない。
「あ、あのさ。お酒ちょっと入っちゃってたの。お神酒。幸村様がくれて。」
「私だったら、好きな相手以外には口づけようなんて思いません。」
六郎は手をつないだまま
私に口づけた。
「どういう…こと?」
「言ったでしょう。好きな相手以外には口づけようなんて思わないと。私は名無しさん好きなんですよ。」
(手をつないでキスをして)