おねがいキスして。10題

□5、無邪気にキスして。
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六郎の隣にいるといつも、思ってしまうことがある。


あぁ、このまま抱きついてしまいたい。

このまま唇を重ねてしまいたい。


けれど、私には理性が存在するわけで。



いつものように、才蔵に抱きついている伊佐那海を見て、私は考えていた。


森。森に行って動物で安らごう。と、森に向かおうとすると、六郎にばったり出会った。



「どこへ行かれるのですか?」

「あ、森だよ。佐助のとこ。動物をね、見に。」


抱きつきたいし、手も握りたい。けど、そんなことしたら関係が崩れるだろうな。とか、六郎に会うと再び考えてしまう。


「そうですか。お気をつけて。」

と私に言ってくれる六郎に好きって思われたい。とか。


相手に好意を意識させたら、好きになってしまうものだ。

と誰かが言ってた気がする。多分。


それなら私は―――と。


六郎の頬に軽く口づけた。

「好きになってほしいなって。」


あぁ。私はなにをやっているんだ。こんなことしたら嫌われるに決まって……。

すると、六郎は私の手首を掴んで、こう言った。


「それ、本気にしていいですか?」


(無邪気にキスして)

反省↓
無邪気要素どこいった…

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