おねがいキスして。10題

□6、欲望だけのキスをして
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*六郎恋人設定ではありません/体だけの関係設定




最初から、こんなのゲームなつもりだった。


つまさき立ちな恋だったし、つりあうためにメイクも大人っぽくなっていった。


こんな関係に成り果ててしまったのはいつのことだったか。


確か、六郎の恋愛の相談を受けた


どんな関係であろうと、六郎の一部でありたかった私は


「私が、忘れさせてあげるよ?」


そんな一言を口にして、今や体を重ねるだけの関係になっていた



「付き合って。あたしだけを見て」


その一言が言えれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。

寂しい、も。
会いたい、も。
愛してる、も。


全部飲み込まなければいけないような、関係になっていたのに。


気づかないフリをしていた

ふと、部屋のチャイムがなった。


今日は週末だ。六郎が家に来る日。


ガチャリとドアを開けるといかにも仕事上がりのスーツにメガネをかけた六郎がいた。


「おつかれさま」


「全く、一人暮らしの女性が鍵をかけないのは無用心ですよ?」


ふわりと頭を撫でられる。

「髪、せっかくセットしたのに。」

「ああ、すみません。」

全く、甘いよ。六郎は。


だから、多分。甘えさせてって言ったら甘えさせてくれるんだろう。


けど、それは六郎が優しいからなんだろう。


「キスして。」


六郎にだきつくと、六郎は一瞬驚いていた。

それもそのはず。

私はキスをせがむことなんて、なかなか無い



「いいですよ。キスしましょうか?」


深く口づけられる。

その口づけが嘘で固めたものだとしても今だけは。


(欲望だけのキスをして)

***
BGM/リスキーゲーム

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