祈りむなしく届かんことを
□何かが崩れる音を聞いて
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次の日
起きた時にはもう,きょうの姿はなかった
いつもの事なので大して気にはしない
「…」
どうしようか。今日は
いつも,いつも有り余った時間をどう使えばいいか解らない
ただ漠然と過ごすしかない
平日はまだいい
勉強,勉強とせっつかれるから
でも…土日は…
娯楽の要素があるものは,この部屋には何もない
本もゲームもテレビも…
何一つない
それらを最後に見たのは何年前だったか
「んー」
このまま,横になり続けているわけにはいかないと起き上がる
…とその時
扉がノックされた
「しつちゃん,今構わない?」
「!えっあ…はい」
(どうして…じょうさんが?)