祈りむなしく届かんことを
□信じるべきこと。
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横暴だ
…横暴すぎると思う
何も情報はないのに忘れ物を探せだなんて
朝から探しているのだか自分の物ではない物など…
ない
(一旦休憩ー)
ベッドに横になってみる
忘れ物と言われても此処には忘れ置く所など一切ない
なのにどう忘れたと言うのか
(……何か馬鹿馬鹿しく思えてきた)
寝返りをうつ
忘れ物をしたのはりつなのに
必死になって探してるのは私で
(ワケわかんない)
無くして困るような物だったら持ってくるなと思ってしまう
大体,本当に忘れ物などしているのか
「んー」
唇を尖らせる
「…あ」
一ヵ所探してない場所を思い出した
(…この下)
ベッドの下…
飛び起きてベッドの横にかかったシーツを上げたとき
ノックをする音が聞こえ
失礼しますと言う声と共に遠慮がちに扉が開かれた
きっと聞こえていた
この時ゆっくりと水滴が落ちる音が