祈りむなしく届かんことを
□永遠の苦しみ
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しつは,閉ざされた部屋で1日を過ごしていた
その部屋は屋敷の奥の奥…
屋敷の者以外には,解らないところにあった
その理由は…
しつには,戸籍がないから
しつは,この世に書類上は存在してはいないのだ
それがばれてしまえば…と考えた後神家が、しつを奥に押し込めたのだ
しつは外に、ほとんど出たことがなかった
しつが外に出るのは、りつが学校に行きたくないと言った日のみ
りつの代わりに学校に行くのだ
学校に行ってないと言って、しつは全く勉強をしていない訳ではない
後神が用意した者に教えてもらっている
成績は,りつよりもいい
「しつー」
「……」
しつは聞こえた声に顔を歪ませた
りつ、だ
「入るわよー」
「えっあ…」
しつが返答をする前に扉が開いた