祈りむなしく届かんことを

□永遠の苦しみ
1ページ/4ページ

しつは,閉ざされた部屋で1日を過ごしていた


その部屋は屋敷の奥の奥…


屋敷の者以外には,解らないところにあった


その理由は…


しつには,戸籍がないから


しつは,この世に書類上は存在してはいないのだ


それがばれてしまえば…と考えた後神家が、しつを奥に押し込めたのだ


しつは外に、ほとんど出たことがなかった


しつが外に出るのは、りつが学校に行きたくないと言った日のみ


りつの代わりに学校に行くのだ


学校に行ってないと言って、しつは全く勉強をしていない訳ではない


後神が用意した者に教えてもらっている


成績は,りつよりもいい


「しつー」


「……」


しつは聞こえた声に顔を歪ませた


りつ、だ


「入るわよー」


「えっあ…」


しつが返答をする前に扉が開いた
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ