祈りむなしく届かんことを
□ターゲットはいい人?悪い人?
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「マジかよ…」
「嘘ついても仕方ないでしょ」
「…りつの次の相手が竜な…」
きょうが頭をおさえた
「って話それてるんだけど…天浦君っていい人?」
「……」
再度,質問するときょうが考え込んだ
(…え?何かまずったかな??)
「いい奴では…ある……な」
そうは言ったが,どこか歯切れが悪かった
「何か問題でもあるの?」
「…否あいつにはない。りつだよ。りつがあいつを選ぶなんて思えなくて」
確かに見た感じ,りつが遊びでも選ぶようには見えない
「うーん…未開の地に足を踏み入れたくなったとか??」
「未開の地ってな…りつはそんな奴じゃねーだろ」
きょうがそう言ったのを聞いて,しつはこめかみに人差し指をあてた
「うーん……。解んない」
「双子なのにか?」
「双子だからって何でも解るわけじゃないよ。それに…私と,りつは双子であって双子じゃないようなものだし」
しつが呟くように言った
「…まあ,そうだな」
きょうがそれを肯定した
「……まっ,天浦君はいい人って事でいいのね」
「まぁ,悪い奴ではないな」
きょうがそう言うと、しつが怪訝そうな表情を浮かべた
「…何で,そう言うかな?釈然としない…」
「俺はあいつの事を全部知ってる訳じゃねーし」
「なるほどね。あっ教室戻ろっか、そろそろ」
「あぁ、そうだな」
二人は教室に戻ることにした
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だます事はまだ慣れなくて
殺し殺され生殺し