祈りむなしく届かんことを
□揺らぐ心に鍵をかけて
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〜5日目〜
「……」
りつに提示された期限は今日で最後だ
告うのまではすませた
でも…
返事はまだ聞いていない
もう…放課後だというのにだ
聞かないといけないのは解っているが…
(…聞きたくないよなー)
「…りつ」
「!あ…天浦君…」
しつに声をかけたのは,今日1日散散避けていた竜だった
「…いい?ちょっと」
『良くないです』と言いたかった
だけど―
「…うん」
〜
「………」
昨日と同じ場所に移動した後,沈黙が流れた
「…昨日の返事だけど…さ」
「…うん」
竜の言葉に頷いた
「えっと…」
竜が言いづらそうにしているのを見た,しつは何かを理解した
「いいよ?遠慮なく言ってくれたら,今後どうなるかは解んないけど…ふるならふるで―」
「違うっ」
「え?」
竜に言葉を遮られた
(…違うって…もしかして)
「違くて…あの…その…」
竜が煮え切らない態度で話す
「付き合ってくれるの?」
今にも掴みかからん勢いでしつは竜に聞いた
「…え?ま…そういうこと…かな」
「有難う!」
「…どういたしまして」
「じゃ,またねっ!!私,門限あるからっ」
「あぁ,また…な」
残された,竜は軽く首をかしげた