中編用

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「やっぱ女が一緒だといいな!」

「まったくだ!船にもいい女がいるけどな。」

「あいつらは聡いからなぁ。」

「そうなんだよなぁ。」

「けどそれがまたいいんだよなぁ!」

「だよなぁ!」

「抱くのだっていい女だからいいんだよな!」

「そうそう!」

「この島は充実してるし、女がいいし、文句なし!!」

「賛成〜〜!!」





ったく。


こいつらは酒が入ると、こういう話しかしなくなるんだから困る。

一緒にいる俺の立場にもなってほしい。



こいつらと同じ目で見られるのは、勘弁だ。

そろそろ切り上げるか?

だいたい、昼間っからの酒盛りに反対だっつーのに。



とりあえず、止めるか。




「馬鹿馬鹿しい。女、女って。」

「あ゛ぁ?」




正直、驚いた。

あの子供が会話に入ってくるとは。




「おいガキ、なんか言ったか?」

「馬鹿馬鹿しいって言った。」

「んだと?」

「女が抱ければいいって?考えが幼いんじゃない?頭、大丈夫?」

「てめぇ!!」

「よせよい。」

「だけどマルコ隊長!!」

「一般人には手を出すなって言われてんだろい。」

「侮辱に対して怒鳴って返すなんて、やっぱり幼稚なんだ。」

「お前もよせよい。わざわざ煽ってんじゃねーよい。」

「思ったことを言っただけ。だいたい、そういう目でしか女を見ないから悪いんでしょ。」

「…………。」

「認めるんだ。やっぱり男なんて性欲の塊でしかないんだね。」




否定は出来ないが、頭にはくる。


目が据わっているだろうことに、俺は気がついた。




「海賊海賊って言ってる時代も馬鹿だよ。」





心拍数が上がった。

自覚してる時点で、俺はかなり切れているんだろうな。




「どいつもこいつもみんな一緒!暴れて襲って!自由なのが自分らだけだなんてこと知らないんだよね。」





少女の瞳が冷たくなった。

が、俺には関係ない。

関係あるのは、あのガキが紡ぐ言葉だけ。





「あんたらだっていつかは襲うんだよね?女も街も。大事なのは仲間とか言う家族だけだもんね?人の家族は奪うくせに、自分の家族が奪われたら怒り狂う。ガキの集まりにしか見えない。」





あぁ、俺は、完全に切れたな。

頭の中で何かが音を立てて切れたんだ。

間違いない。




「…………言うことは、それだけかよい?」

「なに?逆切れ?私は事実を言ったの。」

「てめぇみたいなガキに何がわかる。」

「ガキ?人を見た目で判断しないで。言いたいことを言ってしたいことをするあなたたちと一緒なんてごめんだから。」

「いい加減にしろよい。」

「あなたに命令される筋合いは無い。」

「まともな教育受けてねぇだろ、お前。」

「だとしたら、なに?」

「まともに年食って世界を知ってから意見しろい。何も知らないガキが。」

「じゃあ、何も知らないか試してみる?」





子供の口端が、挑発するように上がる。


いつもならスルーするのだが、今日はそうはいかない。





「白ひげ海賊団一番隊隊長不死鳥マルコさん?」

「……知ってて喧嘩を売ってんのかい?」

「当然。あなた、有名人だしね。」

「有名、ね。……むかつくガキだよい。」

「お生憎様。」





このガキに思い知らせてやる。


白ひげ海賊団を馬鹿にするとどうなるか。






「いいお店、紹介してあげる。」

「覚悟しろよい。」

「……あなたも。」






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