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□LogU『正体が知れる』
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あれから、ようやく狼は心を開きだした。
嬉しければ尾を振るし、機嫌が悪ければ毛を逆立てる。
お腹が空けば食堂に来るし、眠ければそこかしこで寝る。
何よりも、船員達が触れるようになっていた。
「いいことだよい。」
今日もその狼がいなくなって捜索していたマルコは、食堂の思わぬところで発見した。
「何がどういいことなんだ。」
不機嫌そうに眉根を寄せているサッチ。
「慣れてきたんだからいいことじゃないかよい。」
「慣れすぎだろうこれはっ!」
「あははははっ!!」
そのマルコの横でイゾウとハルタが大爆笑してる。
「笑うな、そこっ!」
「くくくくくっ!!」
「だから笑うなぁ〜っ!!!!!」
「うるさいよい、起きたらどうするんだい。」
「起きてもらわなきゃ困るだろうがっ!」
サッチが俺にがおうと吼える。
でも、確かにこれは笑うだろう。
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