短編用

□たまには……な?
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傘下の奴らが、俺宛に贈り物を送ってきた。



箱の中から出てきたのは、小さな小瓶に入った少しどろりとした液体。

ピンクに近い紫色をしたそれは、実に怪しげだ。



困惑しながらも、毒ではないことは確かだった。


『楽しんでください♪』

とだけ書かれた手紙が一緒に入っているし、彼らも家族の一員だ。

俺を殺そうとしたりはしないだろう。



しかし、それが何かわからなければ使う方法が思いつかない。

サッチに舐めさせるのもありだが……。



それで何かあったら、こっちが困る。

ということで、一番安全な方法である『ヤオに調べてもらう』を選ぶことにした。


そして、ヤオから聞かされた結果は。

『媚薬だ。』

だそうだ。


これを楽しんで使おうとするならば、使い方は一つだろう。

彼女である紅音に飲ませる。

これ以外には思いつかない。

が、ただ飲ませるだけではつまらない。

最近は我が儘も酷くなってきているし、ちょうどいい機会だろう。




「紅音。」

「なに?人を呼び出したんだから勿体付けてないで言って。」

「これ、飲めよい。」

「は?」



そう言って紅音は、あのピンク色の液体が入った小瓶を受け取る。



「何これ?」

「傘下の奴らから俺宛に送られてきたんだよい。」

「だったら、マルコが飲めばいいじゃん。」

「お前が飲む方が有効活用できるから、飲めって言ってんだよい。」



有効なのは『俺にとって』だけどな。



「毒じゃない?」

「ヤオに調べさせたから問題ねぇよい。早くしろい。」



「……飲めば用件は終わる?」

「お前しだいだよい。」


たぶん終わらねぇけどな。



「しかたないなぁ。」


そう言って紅音は小瓶のふたを開け、液体を全て飲み干した。





「……飲んだけど。」

「そうかい。」

「マルコが飲めっていったんでしょうが!」

「そうだねい。」

「で、これ、なんだったの?」

「なんともないかい?」

「は?何言って……ぁ。」



紅音の頬が高潮し始めてる。

効果が出だしたようだ。



「ちょ…はぁ……これ、まさ…か……はぁ。」

「ヤオが言うには『媚薬だ』だってよい。」

「そんな!聞いてない!」

「大丈夫かい?」

「ぁつ……。はぁはぁ、…マル…コ。」

「どうした?」

「……熱ぃ。」

「ん?」

「から……だが、…ぁつ……いよ。」




紅音がもだえている。

が、ここで本能のままに襲ったのでは面白みに欠ける。






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