短編用
□たまには……な?
1ページ/4ページ
傘下の奴らが、俺宛に贈り物を送ってきた。
箱の中から出てきたのは、小さな小瓶に入った少しどろりとした液体。
ピンクに近い紫色をしたそれは、実に怪しげだ。
困惑しながらも、毒ではないことは確かだった。
『楽しんでください♪』
とだけ書かれた手紙が一緒に入っているし、彼らも家族の一員だ。
俺を殺そうとしたりはしないだろう。
しかし、それが何かわからなければ使う方法が思いつかない。
サッチに舐めさせるのもありだが……。
それで何かあったら、こっちが困る。
ということで、一番安全な方法である『ヤオに調べてもらう』を選ぶことにした。
そして、ヤオから聞かされた結果は。
『媚薬だ。』
だそうだ。
これを楽しんで使おうとするならば、使い方は一つだろう。
彼女である紅音に飲ませる。
これ以外には思いつかない。
が、ただ飲ませるだけではつまらない。
最近は我が儘も酷くなってきているし、ちょうどいい機会だろう。
「紅音。」
「なに?人を呼び出したんだから勿体付けてないで言って。」
「これ、飲めよい。」
「は?」
そう言って紅音は、あのピンク色の液体が入った小瓶を受け取る。
「何これ?」
「傘下の奴らから俺宛に送られてきたんだよい。」
「だったら、マルコが飲めばいいじゃん。」
「お前が飲む方が有効活用できるから、飲めって言ってんだよい。」
有効なのは『俺にとって』だけどな。
「毒じゃない?」
「ヤオに調べさせたから問題ねぇよい。早くしろい。」
「……飲めば用件は終わる?」
「お前しだいだよい。」
たぶん終わらねぇけどな。
「しかたないなぁ。」
そう言って紅音は小瓶のふたを開け、液体を全て飲み干した。
「……飲んだけど。」
「そうかい。」
「マルコが飲めっていったんでしょうが!」
「そうだねい。」
「で、これ、なんだったの?」
「なんともないかい?」
「は?何言って……ぁ。」
紅音の頬が高潮し始めてる。
効果が出だしたようだ。
「ちょ…はぁ……これ、まさ…か……はぁ。」
「ヤオが言うには『媚薬だ』だってよい。」
「そんな!聞いてない!」
「大丈夫かい?」
「ぁつ……。はぁはぁ、…マル…コ。」
「どうした?」
「……熱ぃ。」
「ん?」
「から……だが、…ぁつ……いよ。」
紅音がもだえている。
が、ここで本能のままに襲ったのでは面白みに欠ける。
.