短編用

□もし、真逆の2人が……
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「んなとこに居やがったのか!おいパイナップル!」

「んだよい。」

「書類はどうした!書類は!!」

「ああ、忘れてたよい。」

「『忘れてたよい』じゃねぇ!俺の仕事増やすなっ!!」

「……うるせぇよい、フランスパン。」

「て、め……。覚悟しやがれ!!」




サッチの怒りが沸点を超えた。


さっと青ざめたマルコが逃げ出す。




「待ちやがれぇっ!!」

「お、怒んなよい!」

「うるせぇ!神妙にしやがれパイナップル!!!」




逃げるマルコを追うサッチ。

鬼ごっこ。

んな楽しいものではない。

サッチの手にある二振りの包丁は、覇気を帯びていた。



つまり『殺る気』である。










え、どういう状況かって?
つまり、こういう状況である。
普段、真面目でモテて頭がよくて苦労性なマルコ。
対して、普段、不真面目でモテなくてそこそこ頭が悪くてお気楽なサッチ。
2人が入れ替わったら、どうなんのかなぁ〜。
という辺りから、こうなった。
もうしばらくお付き合い願いたい。









「マルコ〜?」

「…………。」

「またサッチに怒られたの?」

「よい。」



項垂れて落ち込むマルコ。


その頭を、ハルタがわしゃわしゃとかき回す。




「俺は犬かよい。」

「犬ってよりは南国フルーツ?」




マルコが再度落ち込む。



「あはは♪でも、サッチ恐いねぇ。」

「よい。今日は包丁持ってたよい。」

「うわー。こわーい。」

「感情がこもってねぇ台詞だな。」

「あ、サッチー。」

「仕事終わったのかよい?」

「誰かさんのせいで、必要以上に時間が掛かったがな!!」

「…………よいι」

「まったく。なんでこの船の隊長はこう、手の掛かる奴が多いのか。」

「教育不足じゃない?」

「んじゃ、親父にでも説教を頼むか。」

「「遠慮するι」よいι」





サッチの提案に、マルコとハルタが青ざめた。



「楽しそうだな、サッチ。」

「おう、ビスタ。」

「今日は宴だそうだ。」

「りょーかい。」

「では、伝えたからな。」

「おう、助かった。」




話をここで打ち切り、サッチは調理場に入って行った。






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