中編用
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「親父っ!」
「どうしたぁ。荒れてるじゃねぇか。」
「潰してぇ店がある。」
「おいおい、随分荒れてるな。あのクソガキに一杯食わされたか?」
「話は聞いてるがぁ、手ぇ出したんじゃねぇだろうなぁ、マルコぉ。」
「そのガキのことだよい。実は……。」
俺は紅音から聞いた話をそのまま全て話した。
「その店を、潰してぇんだよい。」
「そうかぁ、好きにしろぉ。」
「わかったよい。」
踵を返して出てこうとしたとき。
「待てっ!」
「何だよい、サッチ。俺は急いでんだ。」
「俺は反対だ。あんなガキほっとけよ。助けるだけ無駄だ。」
「お前の指図は受けねぇ。イゾウ、出れる奴だけすぐに出せよい。」
「あいよ。」
「俺の隊からは一人もださねぇからな!」
「海軍や海賊相手にするわけじゃねぇんだ、必要ねぇよい。」
「ちっ!!」
不貞腐れるサッチを置いて、俺はあの店に取って返した。
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