中編用

□V
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おとなしく医務室のベッドで寝ていた。

あれ以来、マルコとは口を利いていない。



はぁと、ため息をついた。


その時にふと気がつく。


部屋の外が、騒がしい。


正確には、船の甲板だろうか。





胸騒ぎがする。





刀を持って、こっそりと医務室を抜け出した。


甲板に続く廊下を走って外に出る。


海賊だ。


突然の敵襲だったのだろう。




みんな、戦闘に必死だ。






「きゃぁっ!」






悲鳴を聞きとめ、そっちへ向かう。


いたのは、ノアだった。






「ノアっ!!」





刀を抜き、敵とノアの間に滑り込む。






「紅音!」

「早く逃げて!そんなにもたない!」

「けどっ!」

「いいから早く!」






敵は、一人から三人に増えていた。

身体の傷は、治っていない。


敵の攻撃を数度受け止めただけで激痛を感じ出す。


サーベルの切っ先が、紅音の頬を切り裂いた。




その時、肩と腹部の傷が開く。

耐え切れずに、ひざを突いて吐血する。




「紅音っ!」




ノアの悲鳴とともに、肩に激痛が走った。


鮮血が散って、斬られたことを自覚する。







「くっそぉ!」





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