言葉は離れているようで
□〜春爛漫!!学芸会!!〜
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【ハクシャクがいじめられていたのと同じ頃】
「・・あれでしょう?翼の無い天使・・・」
「天使の癖にロザリオも、太陽も嫌いだなんて・・・」
【《名も無い天使》・・ここでは、《テンシ》と明記しましょう
テンシは翼が片方しかなく、ロザリオが嫌い、太陽も嫌いという、変った天使でした】
「ロザリオって形がなんかむかつくんだよね・・・太陽は眩しくて、汚れたものなんて知らないかのように光ってるし・・・」
【そんな天使らしくないテンシは他の天使たちに陰口を叩かれていました】
「・・・天使じゃなくて、悪魔とか、吸血鬼だったらよかったのに・・・・」
《そうしてテンシは青い空を見上げた》
【ある日、テンシはカミサマに呼び出されました】
「テンシ・・お前には何かが足りない・・だから片翼だ・・魔物の世界へ行き、その「何か」を解明して来い」
「はぁ?!あんたが行けば・・・・」
「問答無用だ」
《テンシが反論をしようとしたとこら、カミサマは問答無用でテンシを送り出した》
【テンシは魔物の世界・・・・魔界へと、落ちていきました】
《ハクシャクは自分の屋敷の庭で月を眺めている》
【伯爵は毎夜、月を見ています。それは、月だけが天界と魔界をつなぐ唯一の通路だったからです】
「・・もし僕が天使になれたなら、あの月まで飛んでいくのに・・・」
《月に人影がさす。その人影は、伯爵に向かってどんどん大きくなってくる》
「な、何ッ?!」
《ズドォンッ・・・・・落下音が屋敷に響いた》
「あいたたた・・・・あのくそ野郎、手ひどい扱いしやがって・・・・」
《後で覚えてろ・・・物騒な言葉を吐く物体》
「だ、大丈夫ッ?!」
《伯爵は落下地点へと駆けて行く》
「ん・・?あ、僕はテンシ。ここは魔界?」
「・・・・え、うん。魔界のぼくの屋敷だよ」
【ハクシャクは美しい白い片翼のテンシに見とれていました・・・】
「そっか・・・ねぇ、君の名前は?」
「ぼくはハクシャク」
「そう、じゃぁハクシャク。僕、行くあてがないから、ここに泊めて」
【テンシは「お願い」と言うよりかは、「命令」といったほうが正しい口調で言い放った】
「うん。いいよ」
【ハクシャクは命令口調なんてなれていたし、「来るものは拒まず」がモットーだったので快く、承諾しました
ハクシャクがテンシに興味を持った・・・・というのが1番の理由でしたが】
「何が足りないんだろうね・・・?」
【自分達の身の上話をした後、2人は今後の対策を練っていました】
「・・僕らは逆であればよかった・・・」
「ううん・・・逆であるべきだったんだ・・・・」
「あ、そうだ!!今日と明日で、天界と魔界の違うところを探しに行こう!!」