言葉は離れているようで

□〜春爛漫!!学芸会!!〜
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「ただ痛っ!!」

「お帰り!!」

『ドアを開けた帰宅早々、ハクシャクはにんにくを投げつけられる』

「今日はどうだった?」

「うんっ!!誰も痛っ、いじめて痛っ、来なかったよ痛いっ!!」

『ハクシャクが嬉しそうに話していても、にんにくは止まらない』

【ハクシャクは眼帯をしてから、〔箔が付いた〕とでも言うのでしょうか、ほとんどいじめてこなくなったのです】

「そ・・・ろ・・な・・・」

「?何か言った?」

「ううん。なんでもないよっ!!」

【「そろそろかな・・・」その声は小さすぎて、ハクシャクには聞こえませんでした】



【トマトジュース生活、にんにく生活が続いていたある日のことです

屋敷内から、トマトジュースが消えていました】

「テンシ・・・お腹減ったよ・・・」

「だから?」

『テンシは無表情でハクシャクを見つめる』

「・・・・はぁ。食べ物を探してくるよ・・・」

「ムリだよ。魔法をかけたから」

『テンシの言うとおり、ドアや窓を開けようとしても、開かない』

「どうしてこんなコトをするの?これも修行?」

(そうだよ。これが最後の修行・・・)

【テンシの心の声はハクシャクには聞こえません】

『代わりにテンシの口端がつり上がる』

「そんなわけ無いだろ?最初から、修行なんてしてないんだから」

「え・・・?」

『テンシはハクシャクを嘲るように笑いながら、言い放つ』

「僕・・・ううん、天使になりたいと願うおちこぼれ吸血鬼をからかっただけ」

『テンシはなおも残酷に告げる』

「でも、君が悪いんだよ?」

【ハクシャクは次の言葉を聞いた瞬間、牙をむいてテンシに襲い掛かりました】

キミガ アマリニモ ドラキュラ ラシク ナイカラ
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