言葉は離れているようで

□〜春爛漫!!学芸会!!〜
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『テンシの白く美しい首筋に血がつたう』

【血をすするハクシャクの脳裏に、浮かぶ映像がありました】

『スライドが音も無く現れ、映像を写していく』

『テンシは自らを傷つけ、血を流す そして、その血をハクシャクのトマトジュースの中に入れる』

「テ、テンシ・・・・キミは・・・」

『〔ハクシャクが血に慣れてくれますように・・・・〕』

「・・もぅ、大丈夫だょ・・・キミは・・・ハクシャクは・・・立派な・・」

『テンシはハクシャクの後頭部に手をまわす』

ドラキュラダヨ・・・

『その言葉を言う前に、テンシの体は力を失い、冷たくなっていきました・・・・』



【テンシが死んだ次の日のことです】

「おいハクシャク、一発」

「うるさい!黙れ・・・・」

【ハクシャクを〔久しぶりにいじめてやるかぁ・・〕とインキュバスがハクシャクに近寄りました

が、ハクシャクは鋭い眼光でその言葉をさえぎりました】

「ヒッ!・・い、いや、なんでもないんだ・・・」

【それからのハクシャクは性格が変わり、誰にも近づかず、誰も近寄らせませんでした】



【そうして、月日がたち・・・】

「ハクシャクさまがお帰りになられたよっ!!」

『魔物が集まって話をしている』

「今日は何人、お殺しになられたんだ?」

【ハクシャクは立派な吸血鬼になっていました  ハクシャクを恐れない魔物はもう居ません】

「それにしても・・・・ハクシャクさまはどうしてあんなにも一直線に屋敷に帰られるんだ・・?」

「誰も居ないはずなのに・・」


「ただいま」

【ハクシャクは一直線に部屋へと進みました  つまりはハクシャクの寝床・・・柩置き場です】

「テンシ・・・・そういえば僕はキミの名前を知らないんだ・・・」

【そして、ハクシャクの柩の隣にもう1つ  対の柩がありました】

『その中には頭のわっかを失ったテンシが紅薔薇に埋もれている

だが、羽根は片翼ではない  天子のときは白かかった翼は黒くなっていたが、翼の無かった場所には、見事な悪魔の翼があった』

「・・・キミはどこかで、見てるんだよね・・・だから」

ワラッテルンダヨネ・・・

【テンシのその蒼い瞳は2度と開かれることはありませんでした・・・ けれど、ずっとずっと微笑んでいました】

【少しというには遠い昔  遠いというには近い昔  天も地も分け隔てなかったとき・・・・・  そんな昔の物語】









   皆様、これで終わりと思う無かれ!   まだ少し、続きがあるのです・・・  どうぞどうぞ、最後までご覧ください・・・・
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