言葉は離れているようで

□〜春爛漫!!学芸会!!〜
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『ハクシャクは紅薔薇に埋もれるテンシを見つめていた』

「・・吸血鬼ハクシャク・・・・もし望みが叶うなら、何を願う・・?」

『姿の見えない相手から問われる  ハクシャクはテンシを見つめ続ける』

「・・・神か・・・もちろん、テンシの再生を」

「その為に今の地位も、名誉も全て失うとしても・・?」

「・・・今の地位も名誉も・・・・全てテンシが築いてくれた物だから・・・無くしたって惜しいものじゃないよ」

『ハクシャクは目を閉じて微笑んでいる』

「・・・・・俺に仕えるとしても・・・?」

『ハクシャクは閉じていた目を開き、姿の見えない神が居るであろう場所を睨む』

「そんなことでテンシが再生するなら、軽い」

「・・・その望み、かなえてやろう・・・」

『部屋は光に包まれた』





【その日、名高き吸血鬼、ハクシャクは死にました その顔は安らかで・・・ 柩の中のテンシのように神々しいものでした】





【そして、同日の同じ時刻  2人の天使が誕生しました】



「・・・ハクシャクは俺に仕えると言った。だから俺の者だ」

「僕とハクシャクは生まれ変わる前からの仲だよっ!ね、ハクシャク!!」

「俺の者だな?!」「僕の者だよね?!」

「え、え〜っと・・・・」

【ハクシャクはカミサマにもテンシにも気にいられ、2人の間で取り合われているのだそうです・・・】



「ところで、テンシ、君の名前は?」

「僕の名前はね・・・・・・」
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