水晶と獣達〜星降る夜の物語〜

□第二章〜回り始めた歯車
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レクラティア大陸では、ある二大宗教が信じられている。

一つは『ラーディス教』

魔獣大戦で邪悪なる魔獣『ジャガーノート』を倒し、暴走した水晶の力を静めたという英雄『ラーディス』と聖魔獣『フェルディナンド』を信仰する宗教で、ラバルシア王国、ドーメル武国、ナジル共和国といった国々に広まっている。


もう一つは『マハード教』


暴走した水晶より現れた魔獣『ガルヴェラ』を倒し、世に平安をもたらした英雄『マハード』と聖魔獣『セティウス』を信仰する宗教で、バティスタ公国、ミラ帝国、アルベニスタ王国で信じられている。

このそれぞれの宗教を信じる国々が、相手の信仰する宗教を邪教だとして、自分達の信仰している宗教こそが歴史に沿った正しいものだと主張し合っていた。

ラーディス教では、マハード教で信仰されている聖魔獣『セティウス』こそが邪悪なる魔獣『ジャガーノート』だとし、対するマハード教ではラーディス教の聖魔獣『フェルディナンド』こそが邪悪の元凶ガルヴェラだと主張し、二つの宗教を信仰する国々は真っ向から対立していた。


長きに渡る対立。


この日ラバルシアとバティスタの間で行われる会談は、その事に深く関係したものだった。
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