A Memory 第二章
□第23話・擦れ違う怒り…
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その日の夜――。
親善大使の護衛として選ばれた為か、仲間全員がファブレ邸に一晩泊まる事が許された。
皆が皆。寝静まったであろう時間…
ガイの部屋にコンコンとノックが掛かった。
今日のジェイドの発言で考え事をしていた為か、少し遅れて部屋の扉を開ける。
その場に居たのは…
「?…アッシュ」
アッシュである。
「夜遅くにゴメン…。今すぐ応接室に来て欲しい」
「何だ?アクゼリュス行くに問題か??」
「……そんなもんだ」
気のせいだろうか…?アッシュの雰囲気がいつもと違う。
ドスの低いオーラ…。
明らかに不機嫌だ。
いや…怒っていると言った方が正解かもしれない…。
疑問符を浮かべたまま…だが雰囲気に勝てず、ガイはアッシュに言われた通り応接室に向かった。
―応接室―
ガチャリと中に入り、そこに居たのは思っていた人物達とは違う人物達。
てっきり自分の仲間達が来ていると思っていたが、その場にいる仲間はヴァン一人だけだった。
他にいる人物は…
「奥様…旦那様…」
ファブレ夫妻である。
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