A Memory 第二章
□第29話・超振動
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―アクゼリュス最下層―
「これが…イオンが言っていた…」
ルーク達は目の前に広がる不思議な景色を目の当たりにしていた。
地下とは思えない整えられた壁。
現在の技術で造られたとは思えないネオンの光。
広々とした空間は、まるで自分達が地下ではなく、別世界に来たかのような錯覚さえ起こる。
その『ホール』とでもいうべき空間の中心には、
巨大な光の柱――。
天井から地下深くまで続いている白に光る柱は地上には姿を現していない。
まるで地下から伸び、地上を――アクゼリュスを支えているようだ。
「あぁ…おそらくコイツが…」
――セフィロトツリー。
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『不思議な扉の最下層には、セフィロトツリー…通称『セフィロト』があります』
「…セフィロト?」
「嫌…俺何でも知ってるわけじゃねぇから、ルーク。ι一応名前はどっかで…」
『そうですね。セフィロトの存在は秘密事項で、詳しく知っているのはローレライ教団の詠師職以上の者だけです』
「そのセフィロトが…どうかしましたの?」
『はい。実際に見て頂いた方が分かると思いますが、セフィロトは地下深くまで続いていて、最下層を超振動で叩くというのなら、セフィロトの下へ向けて放つのが一番効率が宜しいかと…』
「……」
『ただし、絶対セフィロト自体に超振動は放たないで下さい!!…それだけ注意しておきます』
「…分かった。ありがとうイオン、ジェイド」
『…我が儘を聞いて差し上げたのですから、ちゃんとアクゼリュスの全てを救って来て下さいよ?…アクゼリュスを壊滅させる予定の軍は動かさないよう、手配しておきます』
『…必ず成功させて下さいね…』
―貴方方に、ローレライとユリアの御加護を…―
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