A Memory 第二章

□第30話・まばゆき光の柱
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悔しげな声を出し俺にしがみつくルーク。



「アッシュ…俺はおかしいか…?」

「アクゼリュスを……『街』を救えないのが悔しい…」



言われた言葉に俺は一瞬戸惑った。



「こんなに障気に塗れて危険になって…でも、魔物や盗賊から、街の人達を今まで守ってくれた街を…っ!救えないのが苦しぃッ…」



感情も何もない街を、そんな風に捕らえるルーク。

それは今まで戦場に立っていた俺には想像もつかない…否、誰も思い付かないだろう彼の『街』の意味。




「……俺は…親善大使失格だ…っ」



助けても礼一つ言えない無感情の物を、誰が助ける…?


誰がそこまで責任を感じる…?


でも、ルークにとってこの無感情の物はそれだけの意味がある物。

今まで『人』という弱い者達を守って来てくれた、『人』の大事な宝物。


それをまるで自分の『物』であるように、守りたいと呟いた。…呟き続けた…。




俺は、そんな彼こそ、守りたいと思った――。









『……超振動です』








俺は目を見開いた――。







『第七音素使い二人では力が足りず、障気を中和出来ない。街一つ分中和するには…少なくとも第七音素使い1万人分の命を犠牲にしなければなりません』






いやだ…






超振動…







微弱なものならともかく



街一つ分の超振動…









……いやだ…








……怖い…







……だって…







俺は一度…







『ソレ』で―――っ











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