A Memory 第二章
□第23話・擦れ違う怒り…
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「何故、旦那様達が…」
「…アッシュに呼び出されてな…」
いい迷惑だと言わんばかりの溜息…。おそらくインゴベルトからアッシュとルークの関係を知ったのだろう。
レプリカとオリジナルという関係を…。
ファブレ公爵にしてみれば、偵察を考えた奴の差し金に呼び出されたようなものだ。
良い気がしないのも無理はない――。
「――揃ったな」
そんな事を考えていれば、ふと後ろから声が…
居たのは当然、呼び出した本人であるアッシュだ。
「アッシュ、何用だ?用件は手短にお願いしたい。…シュザンヌの体にも障るからな…」
少し睨みを効かせ、ファブレ公爵はアッシュに言い放つ。
勿論…と言うようにアッシュは一度頷き、集めた全員を見渡す。
「用件は……ルークの件です」
一度、彼等の動きが止まった。
「……ルークが…どうかしたのか?」
動揺を隠し切れず…それでも落ち着いて聞き返す公爵。
その隣のシュザンヌは両手を胸に当て、悲痛そうにうつむいている。
「深くは追求しませんが…公爵達はルークの死をご存知だったんじゃないですか?」
「!!アッシュ!?」
それは遠回しに、『譜石の先を知っていたんじゃないか』と脅しを掛けた質問だった。
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