A Memory 第二章

□第24話・最期の旅…?
3ページ/12ページ



「……『ひいき』の意味が違っちゃったわね」


呆れたように片手で顔を押さえるティア。

しかし、表情は満足の笑顔で詰まっている…


アッシュはそれに気付いていた為、へへっ…といつもの調子で笑った。



「……それじゃあ、新たな決意表明を示して――」


「…?」


アッシュの後ろに周り、ティアは彼の背中を押しながら自分の自室へと向かった。





















―バチカル城前―

既に、アクゼリュスへ向かうルークを初め。マルクトに向かう者も、城で待機する者も皆が揃っている。

最後の確認をするように、ヴァンの声だけが淡々と響いていた。



「…アッシュとティア、…遅いな…」


そろそろ出て来てもおかしくないのに…と、ルークはそわそわと自分の屋敷の扉を見る。



「狽ヘぅわ!まさか…二人仲良く世界を放置して愛の逃避行!?」

「アニ〜ス、…殺されたいんですか?」


にっこりと笑ったジェイドが見た先には――屋敷の扉を見ていたはずのルークが、まるで狩りをする前の獅子の如くアニスを睨みつけている姿…。

「じ、冗談だよぉv」とアニスは引き吊った笑みでそれに答えた。








「――誰と誰が逃避行だ」



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ