A Memory 第二章
□第24話・最期の旅…?
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「……『ひいき』の意味が違っちゃったわね」
呆れたように片手で顔を押さえるティア。
しかし、表情は満足の笑顔で詰まっている…
アッシュはそれに気付いていた為、へへっ…といつもの調子で笑った。
「……それじゃあ、新たな決意表明を示して――」
「…?」
アッシュの後ろに周り、ティアは彼の背中を押しながら自分の自室へと向かった。
―バチカル城前―
既に、アクゼリュスへ向かうルークを初め。マルクトに向かう者も、城で待機する者も皆が揃っている。
最後の確認をするように、ヴァンの声だけが淡々と響いていた。
「…アッシュとティア、…遅いな…」
そろそろ出て来てもおかしくないのに…と、ルークはそわそわと自分の屋敷の扉を見る。
「狽ヘぅわ!まさか…二人仲良く世界を放置して愛の逃避行!?」
「アニ〜ス、…殺されたいんですか?」
にっこりと笑ったジェイドが見た先には――屋敷の扉を見ていたはずのルークが、まるで狩りをする前の獅子の如くアニスを睨みつけている姿…。
「じ、冗談だよぉv」とアニスは引き吊った笑みでそれに答えた。
「――誰と誰が逃避行だ」
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