A Memory 第二章

□第25話・旅路
2ページ/10ページ


上流階級の人間だった為、周りにはいつも気を遣われていたナタリア。
友達と言えば、同じく高い地位を持っていたルークと、その世話係りだったガイだけ…


女の子同士、仲良く遊ぶ下級の少女達が、いつも羨ましかったのだ…と。



「ルークとガイが居ましたから、友達には困りませんでしたけど…やっぱり、女は女同士で話したいと思うコトが沢山ありましたの…」


駄目かしら…?と、ナタリアはティアに柔らかい笑みを浮かべながら聞く。

ティアは赤い顔を少し歪ませ、




「わ、私で良かったら!ナタリア!」



ナタリアの手を取りながら答えた。

ティアも又軍人…。同い年の女の友達が欲しかったのだろう…


妹の気持ちを一番理解しているヴァンは察し、フッと笑う。



「では、これからは失礼致しますよ。…ナタリア」


この旅で最後となろう、彼女に対する敬語を述べた。










それと同時に…






「?」



ルークの足が止まった。





「?どうした、ルーク?」

「…あれは?」


先頭を歩いていた為、ルークが止まれば皆止まる。

不思議そうに彼が指を指す先には――





――気高き峠。



.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ