A Memory 第二章

□第28話・『1万人分』
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「これで全員か?」


アクゼリュスの入口。
集まった住民達を見渡し、ヴァンは確認を取る。

「えぇ。間違いないはずよ」

「街の隅々まで見て来ました。もう誰もいないはずですわ」

静かに答えたティアとナタリアにヴァンは宜しい…と言わんばかりに頷き、住民達にもう一度避難方法などを説明した。


「…」

「ルーク、大丈夫か…?」

最後まで声を押し殺して泣いたルークも今は泣き止み、それでもあの苦しみを目の前で見せられたアッシュは心配そうに彼を見る。

ルークは一応「大丈夫だ」と答えたが、その表情はお世辞にも良いとは言えない。


「無理はするなよ?俺だって……ルークの力になりたいんだしさ」

「…アッシュ…」


言った後で恥ずかしくなったのか、アッシュはほのかに顔を赤らめてそっぽを向く。



「……ありがとう…」



ルークの表情は少し軽くなった。









それと同時に…





入口付近の辺りが暗くなる。






「!何だ!?」

予想外の光景に息をのみ、一瞬身構えるルーク達だが…




『…待たせたね』



その場には似合わしくない、のんびりとした少年の声が止めた。



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