A Memory 第二章

□第28話・『1万人分』
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「シンク!?」

少年の声は明らかに同僚の声で…聞こえた方向に顔を向け、名を呼んだアッシュは次の瞬間…仰天した。

聞こえた方向…上に目線を向ければ、現在の技術ではありえない宙を浮く鉄の塊が二機。


『マルクト軍との戦闘でちょっと破損したタルタロスの修理を頼んだシェリダンの奴らが、タルタロスよりこっちの方が速いって言うんで借りたんだ』


その名はアルビオール一号機と二号機!


迎えのオラクル…シンク達はとんでもない物を連れて来た。



「す、凄い…空を飛ぶ音機関だなんて…」

「…ガイが見たら…喜びそうですわ…」

「シンク!!」

ア然とするティアとナタリアを余所に、機体から降りたシンクの元に走るアッシュ。
彼の隣には共に来てくれたのであろうリグレットとアリエッタもいる。

「おまっこんなスゲーの…!!」

「仕方ないでしょ?シェリダンの奴らが乗ってけ乗ってけ煩かったんだから…」

空を飛ぶ夢のような機体に、アッシュはどこかキラキラした瞳でアルビオール二機を見上げる。

乗って来た本人は相当強制されたのか…ふぅ…と疲れの見える溜め息を吐いた。

「閣下、指示を…」

シンクの隣に立つリグレットはヴァンへと顔を向け、冷静に指示を待つ。


「アクゼリュスの住民をアルビオールへ!」


ヴァンは高らかに指示を出した。



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