A Memory 第二章

□第29話・超振動
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「ルーク。俺が初めてお前に教えた技…覚えてるか?」

「え?」

そう言われ、ルークは考える。
…いや、特に考える必要はない。

何故ならあの技はアッシュが守ってくれた技であり、自分も彼を守りたくて、必死で覚えた技なのだから…。


技名は……




「…『守護方陣』」




「そう。守護方陣は敵を攻撃するだけでなく、陣の中にいる仲間を回復出来る技だ。その理論は…第七音素を微量に使っているお陰」

「!」


「守護方陣に使う第七音素を爆発的に出せば、超振動が起こるはずだ。技感覚で発動すれば、ルークだって扱い易いだろ」



彼を守るために覚えた技が…


街一つ救うために役立ってくれる!




「…やってくれるか、ルーク…」




断る理由など…




「あぁ!!」




ない!




「ルーク!頑張って下さいまし!」

「私達も二人の負担を軽くするために回復譜術で応援するわ」

ティアとナタリアも胸に手を当て、ルークの意思を尊重する。

ルークは嬉しそうに二人の応援を聞いていた。
















(…見てるか、アンノウン)


アッシュは聞こえないであろう、彼に話し掛ける。


(何も知らなかったルークが、街一つ救うんだぞ…)


(お前はこの光景を喜んでくれてるか?)


(……喜んでくれてるといいな…)



アッシュはセフィロトに向かい、瞼を閉じる。




(いざという時は、お前がルークをリードしてくれ…)



たぶん俺は…自分のことで手一杯になるだろうから…。








アッシュは震える手を無理矢理握り閉めた。





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