君がいるから…

□第1話
1ページ/5ページ

君がいるから…

僕…3年6組不二周助は考え事をしていた。
何についてか…というと、部活中にいつも聞こえてくる声のことだった。
だがどうしても声の主が分からなかった。声質からして女子であることは間違いないのだが、それ以外のことは分からなかった。乾に聞いても【俺も調べてはいるんだがなかなか分からなくてな…一応3年の女子であるらしいが…】としか分からなかった。
はぁ、あの声の主は誰なのだろう…そんなことを考えていたそのとき、廊下から声がした。
「…だよね〜。でもわたし名前2の彼氏のこと嫌いじゃないよ〜」
あの声だ!僕は廊下へと急いだ。
『っねぇ君。いつも部活中に歌っている子だよね?』
僕が話しかけると彼女はおどろいたような顔をした。
「そうですけど…あっ迷惑でしたか?」
『ううん。そうじゃなくてきれいな声だなぁって。君名前なんていうの?どこのクラス?』
僕は思ったことを素直に口にした。
「えっと…私は苗字名前です。クラスは3年1組です。えっと…手塚くんと同じクラスって言えば分かりやすいかな?あなたは…不二周助くんですよね」
僕は驚いた。彼女が僕の名前を知っていたから。
『そうだよ。3年6組なんだ。名前ちゃんって言うんだね。よろしく。』
「こちらこそ。じゃあ。」
そういって微笑みながら去る彼女を僕は怖いくらいきれいだと思った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ