タイトル未定
□プロローグ
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…お母さんっ、助けて…
痛い、助けて…っ
…死んじゃうっ……
怖いっやめて…
子供の声と、皮膚が焼ける匂い。
ざわざわと鳥肌が立つ感覚。
娘が泣く、その度に、胃の中がかき回されるような不快感が押し寄せる。
それは、酒に酔う感覚に似ていた。
苦しくなって、また、その白い肌にタバコの火を押し付ける。
じゅっ、と嫌な音がして、焦げる匂いと、煙の匂い。
吐きそうになる。
「痛いっ…助けて…お母さん…」
娘が、泣きながら、今日も助けをこう。
助けて欲しいのは私の方よ…
非力な娘を、訳もなく責める。
こんな事をして、何かが救われる訳もないのに。
そんな事は分かっているのに。
強い閉塞感と、息苦しくなる程の罪悪感。
やめたいと思っても、この、廃れた心では、どうにもならなかった。
やせ細った娘の体を見る。
可哀想に…
そう言いながら、また…。
これはもはや、中毒だ。