中学生の白の少女
□兄と白
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「なぁ、琴美バスケしにいかね?」
いきなり、兄の蓮はあたしに言う
いつも、唐突に物事をする兄の悪い癖
「んー‥」
「いいじゃないか、暇だろ?」
「わかったよ」
半ば無理やりあたしは蓮に連れられ、コートがある公園へと拉致られた
ダムッダムッ
「はっ!」
シュッ‥パッ
ゴールへと放物線を描き入る
得点は
28対25の兄が勝っている
あたしがスリーを決めれば追いつく筈なのに、蓮兄さんのしつこいディフェンスでスリーの体勢がとれない
「お前のスリーの弱点は体勢がとれなければ、入らないことだよ」
「っ‥」
わかってる、わかってるよ!
あたしはイライラしながら、シュートモーションに入り、そのままボールを放つ
ガッ
ボールはリングに当たり跳ね返った
「ほい、終わり。お前いろんな体勢でシュートする練習しろよ‥」
「うん」
あたしは何も言い返せない
だから、素直に返事をする
「まっ、お前ならできるよ琴美。かえろーぜ?」
蓮は爽やかな笑顔を向けあたしに手を差し出す‥なぜかわからないが素直にその手をあたしは握り、引かれて家への道を蓮のやや後ろを歩いて帰った
いつも、バカにしたような態度をとるけど‥バスケでは真剣な目つきそして真剣な態度‥
それが、兄蓮のいいところじゃないかなと思ってる