§短編集§

□右肩の蝶
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コンコン
俺は躊躇いながら扉をノックする
「いいよ…」
俺は部屋に入るが、彼女に目を合わせれない
「ごめん…」
「もう、いいよ大丈夫なんだから…ね?」
彼女は優しい
子供をあやすような声をして話す
「ごめん…本当にごめん…」
「だから、いいって」
「でも…さ…」
「じゃあ、どうしても…って言うなら、責任とって、私から離れないでよ」
「えっ!?」
俺は驚きを隠せない
頭の中に疑問符をが浮かぶ
「だから、卒業しても…成人しても、私と居て…ずっと…」
にっこりと笑い彼女は言う
「わかった…、離さない…俺の傍で守るよ、今度は」 「うん。」
「ごめんね、こんなところに傷なんか、付けて…」
俺は包帯の上から
傷にキスを落とす

−キスをしたこの部屋の隅で
何気なく、切ないと感じる…
ー切ないという感情を知る


俺は死ぬほど、あの事故を後悔してる
ー後悔は死ぬほどしてる
だけど、こうして
彼女とより幸せになれた
−その分だけ快感を呼び覚ます

こうして狂ったら、俺を止め、ラクにしてくれる
−狂いだした私を止めて一瞬でラクにしてよ

彼女は言った
「臨也からの愛情だったのかも」
−傷口から溶け出したものは 愛情

だけど、俺は…ー
ーそれともAh…
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