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□大好きです。
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キャプテンと霧野先輩の様子がおかしくなってから数日。

もうサッカー部のみんなも、先輩達の異変に気づいていた。
2人とも何もないと言うけれど、明らかに様子がおかしい。
まず、こんなに2人が話さないなんておかしい。

しかも、その状態が一週間も続いている。
今までは2人が喧嘩をしても、次の日とか…最高でも2日経てば仲直りしていたらしい。

俺は霧野先輩が元気がないのが何故か凄い心配だったから、今日本人に聞くつもりだ。

‐放課後‐

「「お疲れ様でした!」」

今日の練習が終わったので、話を聞こうと霧野先輩に声をかけた。

マ「霧野先輩!」

蘭「ん?なんだ、狩屋。」

マ「ちょっと話があるんですけど…今日、2人で話せませんか?」

蘭「あぁ…いいぞ。」

‐‐‐‐‐‐‐

マ「で、先輩…キャプテンと何があったんですか?」

蘭「…いきなりどうしたんだよ」

霧野先輩が苦笑して話を続ける。

蘭「別になにもないよ。」

…そんなの、嘘だ。

マ「俺を誤魔化そうとしても無駄ですよ?先輩、教えてください。」

蘭「別にお前に教えなくても…「俺、知りたいんです。先輩のこと。」

先輩はまた苦笑して

蘭「仕
方ないな…お前にだけはDFの仲間として教えてやるけど、天馬とかには言うなよ?」

マ「もちろんですよ。」


それから先輩に色々教えてもらった。
キャプテンが剣城くんと愛し合っていたこと、キャプテンと別れ、親友も辞めたこと…
そりゃあ、キャプテンと喋らない訳だ。


蘭「…本当…なんで気づけなかったんだろうな…相手が浮気してるの…」

自嘲するように霧野先輩が笑うのが、耐えられなくて…

マ「俺なら先輩一筋なのに…」

と無意識に呟いてしまった。

蘭「へ…?」

もう、この際言ってしまおうか。




―"先輩のことが好きです。"と…


マ「あの…先輩…」

蘭「なんだ?」

マ「こんな時に漬け込むようであんまり言いたくないんですけど、本当のことなんで言っておきますね。」

蘭「なんたよ、狩屋らしくない。」

そんな辛そうな笑みを見せる先輩を無視して話を進める。


マ「俺、先輩の事が好きです。」

蘭「あの狩屋、悪いけど…「今っ…言わなくていいですから…ムリだって分かってます。キャプテンを超えるなんて…でも、いつか…いつか超えてみせます。今はキャプテンの代わりでも、二番目でもいいから…だから…だ
から…!」…狩屋。」

マ「……なんですか…?」

蘭「…まだ神童が忘れられないけど…頑張ってみるか…?」

マ「え…先輩…」

蘭「こんな俺でもいいなら付き合ってくれ。狩屋。」

マ「先輩…本当…?」

もう嬉しくて泣きそうだ。

蘭「あぁ、本当だ。ははっ…おい、泣くなよ。」

笑いながら俺の頭を撫でる先輩 。

マ「泣いてなんかっ、ないですよ…」

泣きながら答える俺。

仕方ないじゃないですか。
付き合えない、って思ってた大好きな人と付き合えるんてすよ?
例え、前の人の代わりだったとしても、嬉しいことに変わりはないじゃないですか。

蘭「狩屋…いや、マサキ。こっち向いて?」

マ「へっ…?」

先輩に言われたので、先輩の方を向くと不意にキスされた。

蘭「今はこれくらいしかできないけど…ありがとうな。」

マ「俺、お礼言われる事なんてしてな…「したよ。俺を救うために手を差し伸べてくれたじゃないか。」…先輩」

なんだよ、照れるじゃないか。

蘭「ははっ…狩屋の照れ顔可愛いな(笑)」

マ「うるさいっ!」

これから、色々あるかもしれないけど…キャプテンを超えられるように頑張っていこう。


  
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