歳のくせに少々色々しすぎたかな…
そんなことを考えながら基地に入る。
「おかえりなさい」
一ヶ月ぶりに聞いた声。
そう、私の大切な部下、コワルスキーの声。
…あれ?
基地の一面に紅の薔薇の花が咲いている?
いや、違う
薔薇なんて、そんな甘っちょろいもんじゃない。
そうだ、そうなんだ、これは
血だ 鮮血だ
でも誰の…
よく見ると、鳥類や哺乳類を四肢切断したと思しき「なにか」が沢山転がっていた。
「会いたかったです、隊長」
コワルスキーが微笑む。
「一ヶ月も何してたんですか?修行、してたんですよね。でももうその必要はありませんよ。」
「コワルスキーお前…」
「嫌いな方の無様な死に顔を拝むのは
嬉しいでしょ楽しいでしょ快いでしょ」
「誰が殺して良いと許可した!?」
そう言うと微笑んでいたコワルスキーの表情が歪んだ。「そ、そうだった…」
「馬鹿かお前」そう言おうとした瞬間「ごめんなさい隊長…
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ」
「うるさい!!」
…ん?
気付けば私はベットの上に居た。
なんだ、夢か。
ほっと胸を撫で下ろす。
「隊長」
コワルスキーが居た。
一瞬びくっとした。「なんだ」
コワルスキーがなにか言いにくそうにもじもじとしている。男のくせになんだその物腰は、そう言おうとしたが、コワルスキーが「実験台に なってくれませんか」とうるうるした青い瞳で見つめてきた。