愛のカタチ

□いつも、いつまでも…
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ピピッ…ピピッ…


携帯のアラームで目を覚ます


ムカつく位爽やかな朝


せっかくの休日なのに、あのばばぁーのせいで何で僕がこんなに早く起きなきゃなんねぇーんだよ…


「面倒くせぇ…」


朝から大きなため息をついて、ベッドから下りる


行きたくねぇーけど行かねぇーと煩いし、あっちが来るのはもっと面倒くさい


それにあのばばぁ、怒らすとマジで怖ぇーんだよな…


何すっか解んねぇーし、実の息子の僕でもお手上げ状態


マジで、最強最悪の母親だよな(笑)


適当に服を着てリビングに向かう


「ふふっ、やっぱり忘れてんな(笑)」


誰も居ない静かなリビング


キッチンも覗いたけど、やっぱりアイツの姿は無かった


僕の計画通り(笑)


冷蔵庫を開けて中身を確認して…


ピザトーストでも作るかな


冷蔵庫から材料を出して、二人分のピザトーストを作る


簡単なサラダとスープも作った


やっぱりアイツより僕の方が、上手いし手際もいいよな


出来上がった朝食をテーブルに並べて……そろそろ、起こしてもいいかな(笑)


にやける顔を必死に抑えて、アイツの部屋に向かう


「ふふっ、どんな顔するかな(笑)」


この無駄に馬鹿デカい家の隅にある、使用人用の小さな部屋


ソコがアイツの……僕のお世話係の智の部屋


僕と智の二人しか住んでねぇーんだから、客間でも何でもいいからもっと広い部屋使えばいいのにさ


智に言ったら、この使用人用の小さな部屋が落ち着くんだと(笑)


でも、有り得ねぇーよな……主人に起こされる、お世話係なんてさ(笑)


智の部屋の扉の前


ノックしようとした手を寸前で止めて、そっと扉を開いて中を覗くと…


丸めた布団をぎゅうって抱きしめて、幸せそうに眠っている智の姿


ゆっくり近づいて、ベッドに腰を下ろす


目に掛かっている前髪を、そっと指先で横に流す


今日も爆発的に可愛いですね


僕が頬をするんと撫でると、幸せそうに微笑んだように見える


このまま智を抱きしめて、このベッドで一緒に眠りたい…


唇を指先でなぞると


「ふっ……ん…っ」


小さな吐息と一緒に智が身じろいだ


大きめのTシャツから見える鎖骨が堪らなく色っぽい


このまま見つめていたいけど……残念な事に、もう時間がない(苦笑)


「おい、智…起きろ」


小さな声で呼んでみる



「起きないと……キスしちゃうぞ♪」


てか、もう……キスすんだけどな(笑)


ちゅうって軽く触れるだけのキス


「起きませんか…仕方ないですね(笑)」


ころんって智の身体を転がして上を向かせる


「起きない智が悪いんですからね(笑)」


智の身体に跨がって、顔のすぐ近くに手を着く


堪んねぇーな…この体制


このまま襲ってもいいですか?(笑)


ゆっくりと近づいてキスをする


ほんの少し開いた唇から舌を滑り込ませて、歯列を舌先でなぞって口内をゆっくりと舐める


「…ふっ…は……んっっ」


漏れる吐息に誘われて、もっと奥へと舌を滑り込ませて……智の舌に僕の舌を絡ませる


くちゅって水音が響く頃、僕は智の頬を両手で包み込んでいた


「……ふあっ…んっ…ふっ」


薄っらと智の瞳が開いて、僕と視線がぶつかる


あぁ……起きちゃった


もう少し楽しみたかったのにな


じゃ〜最後に(笑)


「っん…っ……んんんっっ」


深く熱く唇を重ねて、貪るようにキスをする、


息苦しそうな智が、ドンって僕の胸を叩く


苦しいのは解るけど…もう少し、黙ってキスされてろやっ(笑)


「ぷはっ!か、和也様…」


「智、今何時だか知ってる?」


まだ僕は智に跨がったままで、見下ろしなが話しをする


「ほえっ?今日はお休みじゃ…」


「僕、前に言ったよね?お休みに母さんに会いに行くって」


「あっ…」


「一人で起きて行くからって言ったら……智が言ったですよね?僕が起こしますって(にっこり)」


「ご、ごめんなさい、昨日の夜…和也様が何も言ってなかったから…つい…」


当たり前だろう(笑)あえて言わなかったんだから


もっと言うなら…今日、母さんの所に行くって言ったのも二週間前


智が忘れるって想定して言ってんだもん(笑)


「……僕が悪いの?」


「えっ?そんな事は……あの…和也様?取りあえず僕の上から、降りて(苦笑)」


「嫌だって言ったらどうします?」


「えっ?嫌って…」


困った様に眉毛を下げて、苦笑いする智


「それに今日はまだしてませんよね……おはようのキス(笑)」


「さっき和也様が…」


「あれは智を起こす為のキスです」


はぁ…ってため息をついて、ちゅって僕にキスをして


「おはようございます、和也様」


そう言って、ふにゃんと笑う



僕と智の朝の挨拶


本当、単純だよね(笑)


智と二人で暮らす様になった時に言ったんだ


毎日、母さんとおはようとおやすみのキスをしてたから、キスしないと気持ちが悪いって


ここには智しか居ないんだから、智が母さんの代わりにキスして下さいって言ったら…


まるっと全部信じて、真っ赤な顔で戸惑いながらキスしてくれた


それから、おはようとおやすみのキスは僕らの習慣
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