-U&I 〜僕はずっと キミとずっと〜-

□2 揺れる思い
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あゆみ視点


長い廊下に、暖かな日差しが差し込む昼休み。放課後になると寂れてみえるこの場所も、今は穏やかな雰囲気を醸し出している。

ただ廊下を使った大がかりな鬼ごっこに取り組んでいる人たちには、申し訳ないが他所でやってもらいたい。廊下で話し込んでいる私たちには、それが危なっかしくて仕方ない。


「喧嘩……?」

「喧嘩っていう程のことじゃないんだけど……」

廊下で話し込んでいる相手は、友梨ちゃんだった。その友梨ちゃんの曖昧な発言に頭を捻る。

どうやら、工藤君と喧嘩したらしい。いや、でも……喧嘩と訊くと違うというから、喧嘩ではないらしい。そこが今、私が一番頭を抱えている部分だ。


「何か最近、気まずいっていうか……和良君、元気ないみたいで……」

喧嘩ではない。でも気まずい関係。……なんともまぁ難しい関係で。


(でも、私も人のこと言えないか……)

心の中で呟いてみる。誰にも聞こえるはずがないから、その声は心の中で、響くこともなく静かに消えていった。

それにしても……工藤君、やっぱり元気ないみたいじゃん。友梨ちゃんが言うくらいなんだもん。メールは空元気だったのかな……。


「……本人に直接訊くのは?」

「何て?」

「元気ないの?って」

「そんな体当たりなことを……」

友梨ちゃんが大きな溜め息を吐いた瞬間、学校中にチャイムが響く。昼休みの終わりだ。


「……とりあえず、今日何かしてみるよ」

そう言い残して、落ち込んだ様子で友梨ちゃんが背を見せて歩き出す。……なんか、すごい無力感。


(本当に、私って使えないやつ)

友梨ちゃんと同じように――それ以上だったかもしれない――大きく、長い溜め息を吐いた。


  
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