Get Story
□甘い時間
1ページ/8ページ
『なあコンラッド』
『何ですか陛下?』
『………何でもないよ、ウェラー卿』
何時までも直らない名付け親の口癖に、俺はささやかな反撃に出る。
『ごめん、ユーリ。
それで、何ですか?』
名付け親は面白そうにクスリと笑って俺に問い掛けた。
分かればよろしい。
って感じで俺はコンラッドを見つめる。
『ん〜〜別に何も無いんだけどさ』
俺はね。
あるとすればコンラッドの方だ。
俺は自室のふっかふかのソファに、体育座りをして、お茶を入れるコンラッドを観察している。
最近この名付け親はおかしい。
まあ前から変なのは変だったんだけどさ。
コンラッドは俺を避けてる。
勿論あから様に避けたりはしないが、一定の距離を置こうとしている。
俺はそれが淋しくて、そして悲しい。
何か怒らせるようなことをした覚えも無いし、心当たりもない。
コンラッドは何時ものようにお茶の用意をしてるけど、それは何時もと同じようで同じじゃない。
なにが違うか。
それはコンラッドの雰囲気だ。