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□(仮)逃亡者
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「…どこから来たの…?」

「…気になりますか…?」

「…ん…そりゃ…」

「…今はまだ言えないんです……だから…」

「ッあんっ//」

「今はただ、こっちに集中してください…」

「…あ、ああっ……コンラ…ッドぉ…っ///」



「…これをあなたに…。…必ず戻ってきます。それまで誰にも見せないでください…」



「あの男はどこへ行った!?」

「知らないよ!」

「くそっ!家中くまなく探せ!」



「…コンラッド…信じていいんだよね…?」

掌の中で蒼く輝く石にユーリは不安に刈られながら問いかけた。



「…コンラッドが…王子…?」

新聞の一面を飾るのは、長い間行方を眩ましていた第二王子の帰還と婚約。その写真に写っていたのは紛れもなく数週間前まで共に住んでいた人物で、その隣には薄い水色の長い髪をした美しい女性。

「…何だ……バカみたい…」

気づけば涙が頬を伝っていた。
彼には旅の中のほんの戯れだったに違いない。大勢の中の1人…。きっと自分のように彼を待っていた女性もたくさんいたんだろう。それなのに本気で好きになって、信じて…。


『…ユーリ…愛してます…。必ず迎えに…』


あの人の優しい瞳と手と言葉に舞い上がって……さぞかし滑稽だっただろう。何も知らずに熱を上げる姿は。



「“ユーリ”っつうのはあんたですか?」

「…どちらさまですか」

「コンラッドの遣いです」

「…帰ってください」

もう、あれから一年経っていた。何も音沙汰なかったのに何を今更…



「ユーリ!」

「…コンラ…」

「…会いたかった…。連絡もできずにすみません…。見張られていて…。やっと重臣たちを説得することができました。あなたを妻として迎えたい。ずっとあなたを愛してる…」

「…………っ」




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